Totono blog

へこみは消えても色味は難しい| 角度で違って見えるフロアー補修の実際

合板フローリングに貼られた無垢突板のへこみ補修。
お客様には「わからなくなった」と言っていただけましたが、自分としてはもっとできたはず…と感じた事例です。
限られた時間の中でできること、そして前回の補修とも重なる気づきをまとめています。

へこみは消えても色味は難しい|
角度で違って見えるフロアー補修の実際

家具を移動した際にできてしまった、フローリングのへこみ傷。
今回補修したのは、無垢突板が貼られた合板タイプのフローリング材でした。
表面には本物の木が使われているため、補修には素材特有の木目や色味の再現が求められます。
また、光の当たり方や見る角度によって、補修部分の色がわずかに違って見えることもあり、仕上がりの判断がとても難しい素材です。

お客様にはご満足いただけたけれど

作業を終えたあと、お客様からは「全然わからなくなりましたよ」と言っていただきました。
ありがたい言葉ではあるものの、内心では「もっと自然に馴染ませたかったな」という思いが残りました。
今回の補修では、時間的な制約もありました。
それもあり、自分の中で納得のいく「これ以上はもう無理だ」と言えるレベルまで持っていくのが難しかったのです。
補修前と補修後の様子
光の加減と見る角度で、見え方に違いが出てしまいます。

前回の補修との共通点と気づき

前回の記事(無垢フローリングの補修で学んだこと)でも触れたように、
木材という素材は、光と角度で表情が大きく変わります。
今回のように突板タイプであっても、それは同じ。
補修した部分は色の変化が出づらいため、周囲とのなじませ方に繊細な感覚が求められます。

完璧ではなくても、できることを丁寧に

毎回「完璧にしたい」と思いながら
作業に臨んでいますが、
現場では時間、素材、条件など、いろいろな制限があります。
それでも、「今できる中で、どこまでやれるか」を考え、誠実に向き合う。
その積み重ねこそが、自分の仕事だと思っています。
今回もまた、仕上がりに満足しきれなかった分、学びの多い一件でした。